卒業後の進路について
最近、4月から心機一転新しいことに挑戦しようと日本語教師養成講座(以下、養成講座)に関心を持っている方からのお問い合わせが増えてまいりました。
共通しているお悩みの一つに、「講座修了後、就職先をどのように見つければいいのか」または「採用試験はどのようなものか」というものがあります。
このコラムを読んでくださっている方の中にも、講座受講後の就職活動に対して不安があり、受講するか悩んでいるという方もいらっしゃると思います。
そこで、少しでもその不安を解消していただけるよう、このコラムで国内外における一般的な就職活動の流れをご説明したいと思います。
1) どんな環境で働きたいか考えよう!
日本語教師の活躍の場は多岐に渡り、国内外、日本語教育機関のみならず、企業で外国人社員へ日本語教育を行うといったポジションもあります。また、日本語学校の中でも特定の国や地域の学生に向けたコースを提供している学校もありますので、就職活動を開始する前にご自身がどのような環境で日本語を教えたいか考えておくことをお勧めします。
養成講座の受講を始める前や養成講座の授業に慣れてきたら、学校に掲示されている求人票や日本語教師募集サイト(日本語教育学会、国際日本語研修協会、日本語村 等)からどのような求人情報があるか見てみるとよいでしょう。
1. 国内の場合
日本語学校の多くが新学期を年4回(1月・4月・7月・10月)設けており、各学期が始まる2か月前より採用募集が始まります。特に4月期と10月期には入学する留学生が多いことから、その時期は求人票の数も増える傾向にあります。
企業内での日本語教師としての採用は随時行うところがほとんどであり、日本語教師募集サイト以外の転職サイト(マイナビ DODA等)でも求人情報が掲載されることがあります。
大学や専門学校での就職をお考えの場合は、養成講座をしゅうりょう修了後、2,3年間の教師経
験があると採用されやすいです。また、機関によっては修士号以上の学位が要求されることが多いです。日本語教育について学べる大学院への進学も考慮にいれることをお勧めします。
(大学院の一覧:http://u-biq.org/daigakuin.html)
2. 国外の場合
国外の場合でも、場合は国内の例で挙げた日本語教師募集サイトで求人情報が得られます。
欧米圏の場合、各国の日本語教育学会のサイトからの方が求人情報を得やすいでしょう。また登録制の求人情報サイトがある場合もあります。
(例:全米日本語教育学会、Sensei-online 等)
ただし、国外の場合、国や各教育機関によって就労ビザの条件が異なることから、修士号以上の学位やその国の言語が流暢であることが要求される場合が多いです。
2) 求人に応募しよう!
養成講座を修了していることを募集条件としていても、その修了が間近であれば採用試験を受けられる機関もあります。学校に掲示されている求人票や日本語教師募集サイトに挙げられている求人票の中から、興味のある教育機関の条件を確認し、応募していきましょう。
一般的に日本語教師の採用試験には、書類選考、面接、模擬授業が課されます。機関によっては、筆記試験があるところもあります。
3) 採用試験を受ける!
書類選考では、履歴書・職務経歴書の提出が求められます。それに加え、エッセイ(「自分の目指す日本語教師とは」等)の提出を求められることもあります。
4) 求人に応募しよう!
書類選考を通過すると、面接と模擬授業をする機会が得られます。模擬授業の課題は事前に知らされるので、養成講座で学んだことを最大限活かし、準備をしましょう。初級の文型の導入を20~30分で行うといった課題が多いようです。
国外の場合、現地に出向き、面接と模擬授業を行うこともあります。最近は、SKYPEで面接をし、模擬授業は録画データを送るといった形式をとるところもあります。
5) 内定が出たら、確認しよう!
内定をいただいたら、担当科目内容、コマ数、待遇面などについて確認をしましょう。ちなみに、新米教師の場合、非常勤講師として雇用されることが多いです。専任講師として採用される場合、多くの教育機関で教授経験が求められます。
以上が一般的な就職活動の流れです。
養成講座を開講している学校にはそれぞれ就職サポートを提供しています。
養成講座をどこで受講するか悩んだ際には、どのようなサポートを受けることができるか確認し、ご自身の希望が叶いそうな学校に入学するといいと思います!