準備時間
授業の準備時間
先生方は授業の準備にどのくらいの時間をかけているでしょうか?自分が生徒の時にはあまり気にもしなかったことですが、いざ教える立場になってみると、その準備に意外と時間がかかることを実感します。もちろん授業の内容にもよりますが、教室に来てパッとすぐに教えられるということはあまりないと思います。日本語教師養成講座を受講中、担当の先生が「授業より準備の時間のほうが長いんですよ!だから、本当にこの仕事は好きでないとやっていけないんです! 」と力強く言っていたのがとても印象的でした。
確かに、養成講座時代の模擬授業を思い返すと、まるで舞台に立つかのように、たった45分足らずの授業のために、2日くらいかけて準備をしていました。テキスト選び、教案作成、フラッシュカードやパワーポイントなどの作成、ワークシートや宿題の準備、さらに授業の流れがよくなるように、演劇の様に台本を作成して丸暗記していました。
しかし、舞台と違って実際のレッスンは生徒相手ですから、そう、うまくはいかきません。教案を用意しても途中までしか終わらなかったり、話が脱線したりします。「せっかくたくさん準備してたのに~!」なんてこともよくありますし、逆に用意していたものが全てあっさりと終わってしまい「時間が余っちゃった、どうしよう!」なんて言う事もありました
準備時間のかかるレッスン
レッスンの内容によってばらつきはあって、ほとんど準備が要らないときもあれば、30分以上かかるときもあります。特にJLPTのレッスンでN1のレベルになると、学生の質問も鋭く、こちらが気づかないようなことを聞いてくることもありますので、それに備えて下調べしておく必要があります。
そして何と言っても一番準備に時間がかかるのは、小さい子供のレッスンです。ぬいぐるみやミニカー、パズル、おもちゃ、ぬり絵など子供の興味を引きそうなものをレッスン前に用意しておかないといけません。5,6歳くらいの子供ですと、このような小道具を使って常にこちらに気を惹きつけておかないといけないのです。レッスンの終わりには、まるで保育園の様に周りが色々な小道具でちらかっていることがよくありますが、こどもがレッスンを楽しんで「もっとレッスンしたい~!」と言われると時間をかけた甲斐があったと思います。
準備時間が足りなかったら
準備時間が十分に取れずにレッスンをすることもあります。そんなとき、オンラインレッスンでは、ネットですぐに検索できるという利点を生かすと、授業準備も少なくかつ即興の楽しいレッスンにすることができます。準備が足りない時でもすぐに必要な画像や記事をみつけることができますし、会話の中で生徒の興味のありそうなものに気づいたら、用意していたものは使わずにささっとググってその話題にあうものにすり替えることもできます。
対面レッスンの場合は、フラッシュカードや簡単なゲーム、すぐに使えそうな会話例などを用意しておくといいと思います。かんたんな折り紙なども大人も一緒に楽しめていいでしょう。
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毎日同じようなレッスンをしていても「ああ、これは失敗だったな」と思ったり、教える自分自身も飽きてしまったりするので、常に新しい方法や教材、記事を探す必要があります。そうしているうちに引き出しもふえレッスンの準備時間もかからなくなると思います。
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小川 清美
フリーランスの日本語講師。Cartus の講師として日本在住のボーイング社員や家族に日本語を指導。2012年CartusTop language teacher。そのほか、クラブイタリア名古屋、リンゲージ日本語学校などで契約講師として勤務、また移民、難民などにプライベートで日本語を指導。現在はオンラインレッスンが中心。
2019年4月より約2年間、MATCHA - JAPAN TRAVEL WEB MAGAZINEに四コママンガとともに日本語についての記事を連載
ストアカで「オンラインでの日本語の教え方」開催
著書 ※詳細はブログ『Fun! Japanese lessons』よりご覧いただけます
- Practical Japanese1,2,3 Easy and Fun ひらがな、カタカナ、漢字
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